■旅の予備知識
『今回の旅は事前にできるだけ予備知識を入れて行った方が、旅の中味が
充実するのではと思っています。今回の旅のポイントと言えば、旅の全てが
ポイントみたいなものですが…(藤川和尚・談)』


●藤川和尚が語る旅の予備知識 その1 「難民・少数民族について」
『今、日本で「難民」と言えば、アフガン難民かパレスチナ難民が、まず皆さんの
頭に浮かぶでしょう。
しかし…やれ“観光だ!買春だ!ゴルフだ!買い物天国だ!”などとノーテンキに、
なんと年間100万人もの日本人が訪れ、また4,000人余りの日本企業が進出する、
今や日本とは切っても切れない深い関係にある国、タイに.
「難民」と呼ばれ、人間以下の生活をせざるをえない人々が数多く住んで居る…
という事を、果たしてどれだけの日本人が知っているでしょうか。
最近、タイと国境を接するミャンマーへ、観光旅行に出かける人が増えています。
しかし…ミャンマー国内では、今一体「何が」起こっているのか…?
…タイ/ミャンマー両国の関係が、アユタヤ時代以来と言われる程の、最悪の
険悪で危険な関係にある事。また多くの人々が、生まれた土地を奪われ、追い出
され、故郷を捨て、身体一つで命からがら国外へ逃げ出し、タイに流れて来て
「難民」として不自由な生活をされている事。
これらの事実は、同じアジアでありながら、日本ではマスコミ報道さえされません。
日本政府は、「ダム建設」や「地下資源の開発」などという名目で、ミャンマーに
対し莫大な資金を提供しています。…しかしその結果、ミャンマー軍事政権は、
山岳部の少数民族を武力で強制労働に従事させ、その上、彼らの土地を
略奪し、追い出しているのです。
これで、我々日本人にその責任の一端が無いと言えるのでしょうか。
そして日本人のほとんどは、ミャンマーの「軍事政権」さえなくなれば、
ミャンマーは民主化され、全ての問題がかたづくように思っていますが、
実際はそんなに簡単な問題ではありません。
もし仮に軍事政権が倒れたとして、果たして本当にミャンマーは民主化され
平和が訪れるのか…?
ミャンマーの少数民族「シャン族」の元藩主の娘(現在イギリス在住)が書いた
「消え去った世界」(文芸社)という本を、出来たら読んでみてください。
最近出版された本です。
比較的おとなしいと言われているシャン族の人達ですが、ビルマ族・軍事政権に
対する恨みの深さが、文面の端々からにじみ出ています。

また、1年前に皆で一緒にヤンゴンへ行った時(注:前々回のツアー)、良くして
いただいた中華料理店の経営者もシャン族だったのですが…
彼と2人きりになった時に、「正直なところ、ビルマ族を恨んでいるか?」と
聞くと、彼は「…この恨みはシャン族の人間の心からは永遠に消えないだろう…」
と言っていました。

今回の旅で接する人たちの大部分は「カレン族」ですが、「シャン族」「カレン族」
彼ら少数民族の、ビルマ族に対する恨みの傷・不信感は、我々日本人が考えて
いるよりズーと深く…下手をするとアフガンの二の舞の民族戦争、民族と民族が
血で血を洗う事になるのでは…と私は懸念しています。

今回の旅が、こういった問題を考える良い機会になれば…と私は考えています。
そして私達に、何か彼らのお手伝いができる事はないかと。』




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