7月18日
さまよえる人間−3 「人間はなぜ生まれたのか」
人間は何を目的として生まれ生き死んで行くのだろうか。
地球には動物禽獣を含めてたくさんの生き物が生きていますが
地球という惑星が誕生し、アメーバという微生物に始まる生物の生命の歴史は
45億年とか25億年などと、言われています。
その間に植物が生育し、生物の文化が起こり、
私たち人類の祖先は約300万年以前に生起したといわれています。
私たち人間は生まれるべくして生まれてきたのでしょうか?
そのことこそが、ブッダの教えを考える上で最も重要な前提命題のように思えるのです。
私がブッダの言葉を心から信じて来られたのは、
「人間とはなぜ生きるのか、人間は生まれるべくして生まれてきたのか
人間はどこから来て、どこへ行くのか」という命題に、
曇りのない答えを明言しているからに他ならないのです。
「一切は神の意思によって生かされているのだ」とブッダは言わなかったのです。
「この地球上で人間だけが特別な存在なのだ」とも言いませんでした。
「一切の物象は地と水と火と風によって現象がおきてきたのだ」とブッダは明言しました。
<地>、すなわち土が無かったら生物も植物も存在しないのです。
<水>が無かったら、一切の生物も存在することはできないのです。
<火>、すなわち熱力がなかったら一切は存在することができないのです。
<風>が吹かなかったら、一切の植物は腐ってしまうのです。
植物がこの地球から消えてしまったら、空気を吸って生きる私たち生物は
死に絶えてしまうのです。
この故をもって、一切の物象は「地と水と火と風の四大要素から現象する」と
ブッダは明言したのです。
人間が生きる故も、目的や目標などの意思ではなく、
様々な要素が絡み合って生まれた現象に過ぎないのです。
自分のこの生命は自分の意思によって生きている、という思いは
無痴無音の傲慢としかいいようがありません。
ブッダであれ、私であれ、蟻であれ、ライオンであれ、我々の命は、
全ての生きとし生けるものによって生かされている、と知らねばなりません。
「身を慎み、心を慎み生きる人は清浄なるかな」
とはブッダの美しい清音です。
(次回は28日の更新予定です)
>>さまよえる人間−1.アジア型思考様態
>>さまよえる人間−2.食と病の文明




「おもろい坊主を囲む人々」でつなぐ、一話一言。
日ごろのことを思いつくままに、気軽に書いていただきました。
第1回は、北茨城・佛等庵の疋田千秀さん。
タイやスリランカでの出家経験を持つ疋田さんから見た
最近の日本や世界の情勢を、落ち着いた目で描いていただきました。
全8話を順次、お届けします。




