8月6日
さまよえる人間−8 自己の勝者となる道
自己において喜び、自己において充足し
自己において満ち足りた人、彼にはもはやなおすべきことがない。
彼にとって、この世における成功・不成功は何の関係もない。
また、万物に対し、彼らが何かの期待を抱くこともない。
それ故、執着することなく、常になすべき行為を遂行せよ。
実に執着なしに行為を行えば、人は最高の存在に達する。
バガヴァット・ギータ 第三章
このバガヴァット・ギータはマハトマ・ガンジーも人生の指針として最も大事にした
ヒンドゥー教の聖典です。
人はいつも他人に勝つことを目的として人生の成功を追い求めますが、
他人を不幸にして自分の幸福を勝ち取ることはできないのです。
ブッダもまた自己と闘い、自己に打ち勝った勝者でした。
ブッダが生まれた同時代に、ギリシャではプラトンとソクラテス、アリストレスといった
哲人が生まれ、中国では老子や儒学の祖・礼子が生まれました。
その時以来、今日に至るまでギリシャの思想、インドの仏教・バラモン教の思想、
中国の道教や儒学はそれぞれの文明形態を築き上げてきました。
ギリシャ文明は物質的自然界の解明に尽力し。
インド思想はひたすら人間の心の世界に奥深く分け入り、心の解明に尽力し、
中国の思想は人民をいかに支配し、帝国的治平天下を追求してきました。
私たちはいずれにしろ、これらの文明圏内のうちにいる、さまよえる人間の中の一人なのです。
自分の生の問うべきところをしっかりと定めて、
迷うことなく自己の道を歩むことです。
決して他人の生を生きてはなりません。
自己の勝者になってください。

(終わり)
>>さまよえる人間−1.アジア型思考様態
>>さまよえる人間−2.食と病の文明
>>さまよえる人間−3.「人間はなぜ生まれたのか」
>>さまよえる人間−4.「人間の身体こそが全宇宙の集合体」
>>さまよえる人間−5.「無明のうちに生命は再生を繰り返す」
>>さまよえる人間−6.「未来という幻想」
>>さまよえる人間−7.「心の動きが止まるのをまつ」