新連載はナゾのペンネーム「センレック赤血球」がかく、
大きなタイトルで些細なことを描きます。
ついに「あの人」が、久々の登場!
「第十四号: モッツァレラ・チーズの後味 」
センレックは最近、ふとしたキッカケで他誌の追随を許さぬ
「男性向けバンコク風俗雑誌」を編集する人物と知り合った。
ここバンコクはそういった類の産業のメッカである。
仮に彼の名前を「全治2ヶ月」と呼ぼう。
その「全治2ヶ月」から「メシでも食おう」という誘いを受けたので、
「キャー!そんなポーズでメシなんか食えないー!」っと
悲鳴を上げるようなところに連れて行かれたらどうしよう♪!と
不安で夜も眠れないでいた。
当日、どんなポーズをさせられても大丈夫なように、
念入りにローションを、わきの下とオシリ周辺にふりかけ、
寝不足のまま、彼の指定した場所に足を運んだ。
指定されたレストランは、良いめのイタリアン・レストランだ。
手錠をはめられても痛くないように、
ベビーパウダーと、バンダナ2枚をひそかに準備していたのが
徒労に終わったことに落胆しつつも、
イタリア人の考えることは最後までわからないので、
警戒を解かずに店に入った。
良く教育されたウエイトレスにエスコートされ、
「全治2ヶ月」のテーブルに少し遅れてボクが到着した。
しかし、「全治2ヶ月」は、なんと、お美しい女性2名を連れているではないか。
「こ、これは、
さすが、他誌の追随を許さぬ男性誌を編集しているだけあって、
ものすごい演出ではないか。」
と興奮に振るえながら席に着いた。
それでは、早速準備しました、
ベビーパウダーとバンダナ2枚をテーブルの上に取り出して、、、と思った矢先
向こうからお名刺をいただいた。
良く見ると、「全治2ヶ月」の職場同僚ではないか。
そうか、これは単に、本当に「メシを食う」会合だったことに、
遅ればせながら気が付き、ゴソゴソと取り出したモノをカバンに戻し、
ジッパーを密かに閉めるのだった。
食事は厳かに執り行われるものの、
「全治2ヶ月」氏が持参したクーポン券の限度額を超過せず、
且つ低すぎず、ギリギリに肉迫する逆算をしつつの緊張感のある空気だ。
どうしてセンレックの遭遇する環境はいつもこう、コメディ・タッチなのだ。。。
高貴に生まれつかなかった事を静かに悔やむか、親を恨むしかない。
ワインの金額を確かめつつ、食事の量も程よく、デザートもほど良く、
采配を振るった女性2名の体験指数が、
センレックや「全治2ヶ月」のそれらとは
遥かに上回っていることを見せつけられた夜だった。
こういう時、男は、ただ何も出来ないのだ。
こうなったら自分の出来ることでベストを尽くそうと思い、
真中に盛られたイタリアン料理にカブリついたのだ。
帰宅後、しんみりと奥歯でイタリアンのモッツアレラチーズの後味を堪能しつつ、
カバンの中からベビーパウダーとバンダナを取り出し、
静かに元の位置にもどしたのだった。
次号では、失恋のお話だ。
<バックナンバー>
第一号 接触事故
第二号 黄金魂(ゴールデン・ファンク)
第三号 プラチナム・プライドの葛藤
第四号 プールサイドの憂鬱
号外!!!
第五号 幾何学の虜
第六号 焼肉思索
第七号 検査結果
第八号 お掃除♪
第九号 足首骨折男
第十号 決壊と漏電の夜
第十一号 広い世界
第十二号 ベトナムの深さ
第十三号 刺身定食の高いほう