センレック赤血球の宇宙旅行 〜地球編〜

 

新連載はナゾのペンネーム「センレック赤血球」がかく、
大きなタイトルで些細なことを描きます。
今回は「失恋」。ん?これ失恋??


第十五号: 失恋、そして旅立ち 」

 

前号の予告通り、失恋話でパッといこう。

先日、とある可愛い女性とランチを共にした。
彼女の名前を「えび点心ちゃん」としよう。
バンコクのイミグレーションオフィスで長時間詰問され、
命からがら出てきたのだが、
それをコーディネートしてくれたのがその「えび点心ちゃん」だ。
自慢げに「ランチした」とは言いつつも、
実情は、その命からがら逃げてきて、小腹が空いていたので、
そのまま、隣のメシ屋で一皿食ったというだけのことである。
しかし、そのえび点心ちゃんとは、以前からよく知る仲だ。
ホリデー中など、お互いに顔を合わせるチャンスが無ければ
「えび点心ちゃんって、センレックのこと、ミスしてるわよ。」と
ウワサに聞くほど、静かにホットな仲なのだ。
さて話を戻そう。ランチだ。
ランチはピラフ飯にチキンを乗せただけのぶっかけ系だ。
色気無い。しかし、殺風景なレストランも、
我々には、立体バックのプリクラのように、
お花やシャボンが舞うのだ。
「ボク、これ。」とオーダーすると、彼女も「同じの。」と良妻ブリを発揮。
「何でも食べていいのよ、今日のランチはオフィスの予算から捻出できるからね♪」
とウィンク、バチリとホットな会話が進む。食事も進む。
「ワタシ、もうお腹がいっぱいだわ、よかったら食べる?」
「キミのスプーンで食べれるのであれば、がんばる。」
頬を赤らめ、えび点心ちゃんは、つつつと皿をこちらに出す。
「ワタシのフィアンセもそうやって、何でも食べるワ。」
「え!?キミ、彼氏居ないって言ってたじゃん?」
「うん、彼氏とフィアンセは違うでしょ。
彼氏は居ないけど、フィアンセは居るわ。」
「。。。。。」
「来月結婚するの♪招待状送るから、是非遊びに来て♪」
「。。。。。」

冬、乾季に入ったバンコクの日陰は時折、気持ちよい風を運んでくる。
そんな乾いた風が、
失恋に火照ったセンレックの頬をやさしく通り過ぎてゆくのだった。

次号は、混血について、深く、深く、ふかーく考察する。


<バックナンバー>
第一号 接触事故 


第二号 黄金魂(ゴールデン・ファンク)

第三号 プラチナム・プライドの葛藤

第四号 プールサイドの憂鬱

号外!!!


第五号 幾何学の虜

第六号 焼肉思索

第七号 検査結果

第八号 お掃除♪

第九号 足首骨折男

第十号 決壊と漏電の夜

第十一号 広い世界

第十二号 ベトナムの深さ

第十三号 刺身定食の高いほう

第十四号 モッツァレラ・チーズの後味