センレック赤血球の宇宙旅行 〜地球編〜

 

新連載はナゾのペンネーム「センレック赤血球」がかく、
大きなタイトルで些細なことを描きます。
今回はちょっとした出会いにやけに興奮!?


第十六号: 混血の興奮 」

 

つい先日、フランス大使館に招かれて、とあるオープニングパーティに出席した。
厳 密に言うと、
「フランス大使館に忍び込んで関係者の知人のよしみで、ドサクサ紛れ に、
ワインを飲ませていただいた。」ということだ。
その時に会話した美女がいる。
仮に「シンディちゃん」としておこう。
彼女の美貌は地球人でなくても「お美しい」と思ってしまう程に
普遍的な美でありました。
そこで、センレックは勇気を振り絞り 「アナタは何人ですか?」と
フランス大使館敷地内で聞いたのだ。
笑うな、答えが出 るまでわからないぞ。
ロンドンのジャパンセンターで雑誌
「祭おとこ“特集・発掘ダ ンジリ・ボーイ”」を立ち読みしているのが
実は南アフリカ人だったということだってあるのだ。
そして彼女の答えは、「ワタシはクォーターです。」と仰るではありませんか。
「や はりミックスか。」と混血の美しさを再確認しつつ
「どことのクォーターなのです か?」と問うた。
例えばミックスジュースを飲んで
目をつぶれば何と何のミックスか が大体解るのだが、
彼女のことを見つめてみても答えは出なかった末の、
愚問を彼女 にぶつけたのだ。
すると彼女は穏やかな調子でこう言った。
「フランスとスイスとイ タリアとベトナムのクォーターです。」と。。。

チミたちは想像つくかね?
「フランスとスイスとイタリアとベトナム」の混血の美を。
歴史や理論で理解するのではなく内臓で興奮するこの根拠無き火照り。
前立腺の あたりが火照るこの内臓感!
朦朧とした酩酊感に打たれる内臓。
ワインを飲んでいる にも関わらず、ヴォッカのようなむせあがる熱感。
早まる血流に乗ってワインが一気に身体末端へと流動する熱感。
その熱を受ける大腸により締め上がるキリキリとした切迫感。
何かしなくてはならないと、
そわそわと一人部屋の中を歩き回る感情に似たやり場の無いちから。
内から外へと放出できないでいる
エネルギーの蓄熱温の高さに戸惑う肛門周辺。
油断すると一気に全てをひねり出してしまいそうになる生理を
公的な場で抑えなければならない快感にも似た肛門周辺の抑制感情。
出来る事ならすぐにでもスイスナイフで腹を切り割り、
この熱い内臓を全部引きずり出して、ぺリエで洗い、
ジェラートで冷やして、ベトナム・コーヒーで甘めて、
もとに収めたい程に、熱で充血したこの内部。

神はこの混血を創りたもうた。
センレックは半ばうなだれつつ、その美を後にしたのだった。

今回見事にノックアウトなので、尻すぼみのエッセイで申し訳ない。
次回は頑張って背中に定規を挿しての好姿勢で挑む。


<バックナンバー>
第一号 接触事故 


第二号 黄金魂(ゴールデン・ファンク)

第三号 プラチナム・プライドの葛藤

第四号 プールサイドの憂鬱

号外!!!


第五号 幾何学の虜

第六号 焼肉思索

第七号 検査結果

第八号 お掃除♪

第九号 足首骨折男

第十号 決壊と漏電の夜

第十一号 広い世界

第十二号 ベトナムの深さ

第十三号 刺身定食の高いほう

第十四号 モッツァレラ・チーズの後味

第十五号 失恋、そして旅立ち