新連載はナゾのペンネーム「センレック赤血球」がかく、
大きなタイトルで些細なことを描きます。
まずは、もっと不思議な人・藤川さんとの出会いから。
「第二号:黄金魂(ゴールデン・ファンク)」
前回巻末で、シロクマの狩り方を検証すると約束したが、
若干予定を変更し、逆にボクが狩られるかもしれない!
っと身の危険を感じた事件を、一つ報告する。
ここバンコクに黄金の髪を持つ老人が居る。年齢は恐らく60歳あたりだろう。
ブロンドでは無い。「ゴールド」だ。
金箔を塗りこんだようなドレッドの髪はギラリと灼熱の太陽光を反射させる。
ファッションセンスは、
ホームレスとヒッピーと教祖とヤギを足して4で割って
一晩味噌に漬けた感じだ。
そんな彼は、ボクと同じマンションに住む。
ある時、ついに同じエレベーターに乗り合わせた。
その黄金老人は彼女を連れており、恐らくその彼女は40歳代といったところだ。
その彼女と目が合ったので、イギリス仕込みの本格派ジェントルマンのボクは、
一応「ハーイ」と挨拶をした。
彼女もやさしくウインクをくれた。
それがどうやら、ゴールデン・ファンクの傷だらけの睾丸
「癇癪ダマ」に障ったのか?
老人は「ガウーッ」(←明瞭にそう発音した)っと彼女に向かって吼えた!
エレベーターという小さな密室での出来事だ。
野良犬のように育ったのだろう。そして野良犬のように死んでゆくのだろう。
一般庶民の我々がネズミのように野垂れ死ぬ事を思うと、
自由に生きる野良犬の幸福感たるや、充実の人生だろう。
そんな野良犬に昨日またマンションの前で会った!
ヤツは何するとはなし、タバコを吹かしていた。
そしてボクがその前を通り過ぎた。
最初は気が付かなかったが、ゴールドに反射するヤツの髪が視界の隅に入り
「ギョ」っとボクは振り返る。
すると、その野良犬も、意味不明な言語で、
かつ明瞭に「ガウー、ワンワン!ワンワン!!」と吼えた!(本当)
思わず笑って「ツッ、ツッ、ツッ、イージー、イージー」とたしなめた。
そして今日、ついさっき、何と!ゴールドの「バイク・ヘルメット」を被って出かけ
る彼をマンションの上から目撃した。。。
狂犬病の予防注射をしておこうと思う。。。
次号はキタキツネの言いくるめ方を検証する。
<バックナンバー>
第一号 接触事故