センレック赤血球の宇宙旅行 〜地球編〜

 

新連載はナゾのペンネーム「センレック赤血球」がかく、
大きなタイトルで些細なことを描きます。
今回はちょっとした出会いにやけに興奮!?


「第二十一号:タクシー選び」

 

長らくのご無沙汰です。
更新に遅れた理由は、ワタクシの知人、カイジャオ十二指腸に
対談のアポを取るのにてこずっていたということだ。
以下私の苦労を察していただきたい。

さて、今回、初めてのゲストをお迎えします。
「カイジャオ十二指腸」さんです。
彼はボクと違って胃袋の下という一箇所に留まっている人物なので、
センレック赤血球のように循環宇宙の事情に明るくない。
しかし、ローカリティの重要性も無視できないということで、今回来て頂いた。
毎号センレックの「宇宙コラム」が壮大過ぎて分かり難いという、
なんとも、庶民の宇宙認識の狭さに呆れつつも、
やはり愛しい読者には楽しんでいただきたい。
そういう想いを込めて、今回はスケール感の縮小に併せてテーマの深さを心がけた。
「ローカリティ」についての対談だ。
ついでに恋。

センレック:「さて、カイジャオ十二指腸さん、
 今日のテーマは、グローバリティとローカリティについて、です。」

カイジャオ:「その前に、このグローバルの語感やね、
 ここからもっと遠くに引いて巨視的に全体像を見れば
 ローカリティにスケールダウンするんとちゃう?」

セ:「いえ、そういった内容で今回お呼びしたのでは無く。。」

カ:「要するにやね、わしらのフロンティアの領域が拡大したら、
    『グローバル』の定義も拡大するの?
  それとも、『グローバル』が『ローカル』とほとんど差異が無いくらい
  開拓が進んでしもたら、従来のグローバルに変わる語、
  例えば「ユニバーサリティ」「インフィニート・グローバル」ったらいう
  イタチごっこな語を生まなアカンっちゅうことにはならへんの?」

セ:「いえ、そういった内容で今回お呼びしたのでは無く。。」

カ:「ローカリティについて、話したいのかもしれんけど、
  まずこのやっかいな、グローバルについての定義をきっちりしとかなアカンやろ?」 
セ:「はい、、、続けてください。そして早く終えてください。
  静かに聴いています。」

カ:「ほな、グローバルっちゅうのは、今現在、全体感を総括する語感があるやろ、
  でも、これも多国境をまとめた地球サイズの『全体感』程度やん。」

セ:「つまり、宇宙的に見れば、『グローバル』も『ローカル』に
  スケールダウンするということですよね。」

カ:「せやね。
  こういうのは、巷でもよー起こるんやけど、
  例えば、新幹線が、最初に『こだま』『ひかり』と名づけたやん。
  『こだま』はまだええよ。音速やから。
  しかし『ひかり」はまずかったなー。
  なんや言うて『光速』でっせ。
  これ以上速いのは、今のところ宇宙には存在せえへんやん。
  つまり、テクノロジーが進んでそれを超越する新型が出た場合、
  苦肉の策で強引に『のぞみ』なんちゅう急に精神論に走ったりして、
  わしは最初、大日本帝国軍の残党が密かに
  旧国鉄『JR』に残っとったんかいな!?と疑うてしももたくらいです。」

セ:「で、今は700系とかいうナンバリングに変わりつつありますが。。。」

カ:「せやね。
  で、「のぞみ」も失敗やん。
  それよりも早くて美しい型が出た場合、
  日本人の精神のその精神感覚を超越する語すらももう望まれへん。
  「のぞみ」の上は「のぞめない」っちゅうこっちゃ。
  そこで一気にテクノロジー感を増すために数字を使い始めよった。
  しかしこれも気をつけなアカンね。
  そのうち時代が進めば、090−3343−5500系のような
  電話番号みたいになります。」

セ:「はぁ、そうですか。。。」

カ:「で、わしの意見としては、
  当時、東京オリンピックで沸き立つ高度成長の日本、
  そして敗戦国から、世界最速高速列車『新幹線』の開通という大変身の
  ビッグイベントにもかかわらず、
  その名前はチョー謙虚に「徒歩」とか「散策」もしくは「寄り道」くらいから
  スタートしたほうが良かったんとちゃう?っちゅう話や。」

セ:「カイジャオさん、話全然それてしまっています。。。」

カ:「前にな、読んだニュースで自衛隊の開発したなんや飛行する何かの名前が
  『ミラクル・ウイング』っちゅう感じの名前で腰を抜かしたことがあるんやけど。 

  試作段階でミラクルやったら、
  おまえ、技術が安定した将来のそれは何ちゅう名前になるんじゃい?と
  他人事ながら心配してしもうた。
  やっぱこれも「ひよこの寝起き」くらいの名前から始めんと後が続かんのとちゃうか?と思うんや。」

セ:「はい。そろそろグローバリティについて、行きましょう。時間がありません。」 

カ:「失礼。
  でいよいよ具体例に突入なんやけど、
  ヨーロッパをつなぐ高速列車が『ユーロ・スター』でっしゃろ。
  これは巧い。
  『ヨーロッパの星』(カイジャオ訳)は、
  どんなスピードでも、どんなテクノロジーを搭載しても、
  どこまでも「ヨーロッパの星」なのよ、わかる?
  つまり「巨人の星」を場末の古本屋で見つけても『巨人の星』なのとおんなじ理由やね。」

セ:「もう、グローバリティの話はあきらめました。
  つまり、カイジャオさんが言いたいのは、
  測定結果の上下差、優劣差、が生じるような名前をつけるのはやめろということですね。」

カ:「せやね。
  こういう失敗は西洋には少ないんやね。
  価値を上下で決めんと、特徴そのもので決定しよるから、
  個性が尊重されて、上下価値よりも、左右の違いに価値を見出すっちゅう背景がありますからな。
  つまり新型が出ても、個性的なアプローチで命名されよる。
  アジアの社会が全体構造を大きく崩さずにどうやってこういう個性の充実を
  西洋から吸収するかっちゅうとこが、これからの課題やろね。」

セ:「なるほど、思いがけず、グローバルかつローカルな結論に導いていただき、
  ありがとうございました。
  それでは、カイジャオ十二指腸さま、お時間ですので、守備位置にお戻りください。
  先ほどから、ガイヤーン肝臓さまが忙しそうに仕事してます。」

カ:「で、最後に言わしてもらうけど、
  わしらが、音速よりも光速という上下価値をスピードで決定するのも問題なんやけど、
  『イーグル』の方が『トンビ』よりも優秀やと言い切るアメリカ人の感覚も
  凶弾せなアカンっちゅうとこもあるんやけどな。」

セ:「はい、カイジャオさま、お戻りください。もう終わりました。」

カ:「つまり突き詰めるとやな、上下価値はもちろんやけど、
  左右での判断にも細心の注意が必要やっちゅうことやね。
  じゃ何やその完璧なる中心を突く、絶対的にゼロ位置の『価値』はあるんかいな? 

  しかし、これもまた虚しい問いやね『価値』っちゅう意味あいそのものが、
  「バリュー」を持ったもん。
  つまり、反対に『バリュー』を持たへんモノも存在するという
  大定義の上に乗っている言葉やからね。。。
  究極の『ゼロ位置』の世界に『価値』のある何か、っちゅうモノは無いんやね。
  それはH20(完璧純粋な水)の中でAr(アルゴン)を探しているようなもんやね。 

  もっと分かりやすく言うと、東京大学のキャンパスの中に
  赤塚不二夫を探しているようなもんやね。
  もっとわかりやすく言うと、
  赤塚不二夫の中に東京大学を探しているようなもんやね。
  もっともっと分かりやすく言うと、、、」

セ:「次回はまた、元に戻って私一人によるコラムです。お騒がせしました。。。」


<バックナンバー>
第一号 接触事故 


第二号 黄金魂(ゴールデン・ファンク)

第三号 プラチナム・プライドの葛藤

第四号 プールサイドの憂鬱

号外!!!


第五号 幾何学の虜

第六号 焼肉思索

第七号 検査結果

第八号 お掃除♪

第九号 足首骨折男

第十号 決壊と漏電の夜

第十一号 広い世界

第十二号 ベトナムの深さ

第十三号 刺身定食の高いほう

第十四号 モッツァレラ・チーズの後味

第十五号 失恋、そして旅立ち

第十六号 混血の興奮

第十七号 生態観察ゴリラ編

第十八号 求む!釈迦のメルアド

第十九号: 恐竜よりも怖いもの