センレック赤血球の宇宙旅行 〜地球編〜

 

新連載はナゾのペンネーム「センレック赤血球」がかく、
大きなタイトルで些細なことを描きます。
今回はちょっとした出会いにやけに興奮!?


「第二十五号:おひねり」

 


いつも通る歩道橋にいつもの物乞いが居る。
彼は紙コップを口にくわえて一点を見つめて座っている。
なぜ座っているかと言うと、暑くて立ってられないからである。
なぜ紙コップを口にくわえているかと言うと、
両腕はシャツの中に入れているからである。
なぜ両腕をシャツの中に入れてるかと言うと、
どうやら「ボクは両腕が無いです。」という事を言いたいらしいからである。
なぜ「両腕が無いです。」と言いたいかというと、
道行くタイ人は情深く優しいので、そうすると売り上げが伸びるからである。
なぜ一点を見つめているかと言うと、キョロキョロするとウソがバレるからである。

惜しむらくは、そのあからさまに、シャツの上からでも解ってしまう腕の存在だ。
親切心で本当に切り落としてやろうかと思うが、
干渉し合わないクールな関係を好むのでやめておこう。

そしてつい先日、その彼が油断していて、
シャツの下から腕を出してコップのくわえップリを調整していた。
見てはいけない場面を見たような気持ちは一切しない。
コントのオチを、ボク一人に見せてくれたような、ありがたーい気持ちになり、
シャツの下からはみ出ている彼の手に「おひねり」をうやうやしく置いたのだった。


<バックナンバー>
第一号 接触事故 


第二号 黄金魂(ゴールデン・ファンク)

第三号 プラチナム・プライドの葛藤

第四号 プールサイドの憂鬱

号外!!!


第五号 幾何学の虜

第六号 焼肉思索

第七号 検査結果

第八号 お掃除♪

第九号 足首骨折男

第十号 決壊と漏電の夜

第十一号 広い世界

第十二号 ベトナムの深さ

第十三号 刺身定食の高いほう

第十四号 モッツァレラ・チーズの後味

第十五号 失恋、そして旅立ち

第十六号 混血の興奮

第十七号 生態観察ゴリラ編

第十八号 求む!釈迦のメルアド

第十九号 恐竜よりも怖いもの

第二十号 カイジャオ十二指腸

第二十一号 タクシー選び

第二十二号:前立腺肥大と脱腸

第二十三号:失恋2 やっぱり失恋。。。

第二十四号:韓国式!ボードゲーム三昧の週末