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初日にバンコクから向かったのはメソットというミャンマー国境の町。
移動するバスの中で藤川さんから厳重な注意がありました。

最近、この近辺は非常に危険になってきている。
一つは、タイ・ミャンマーの関係が昨年来、非常に悪化しているため、
国境が開いているかどうかは、行ってみないと分からない、ということ。
入れたとしても、ミャンマー側の治安は非常に悪いので
写真を無闇に撮ったり、ビルマ人の感情を逆なでするようなことはしないように。
もう一つは、麻薬と不正警官の問題。
途中で警察のチェックがあるかもしれないが、終わったらすぐに自分の持ち物をチェックして
身に覚えがないものが入っていたら、とにかく投げ捨てなさい。
警官が荷物の中に麻薬を忍ばせ、次のチェックに発見させ、
そして、捕まれば終身刑だ、などと脅して、法外なワイロを要求する、という事件が多発しているそうです。
警官や軍隊は、人を殺して正当防衛を主張するような、悪いヤツもいるので、本当に気をつけるように。唯一つ安心していいのは、この袈裟を着ていればいくら警察でも無茶はしないだろう、ということだけや、と藤川さんは注意を呼びかけました。
平和な日本からわずか1日で、本当に危険なところにやってきた、ということを改めて感じ、身が引き締まりました。
国境には大きな橋が架かっていて、ここで入国管理をしています。
両国の状況がよかったころは、橋の架かる小さな川を住民は歩いて渡っているようなのどかな景色だったそうです。
私たちが行ったときには、運良く国境も開いていて、500バーツ(1500円)もの大金を払って一日入国できるビザを取得しました(1ヶ月ビザなら日本で取ると7000円。ただし悪名高い強制両替200ドルは一時入国にはありませんでした)。
国境を越えたあたりから、サムローといわれる人力車が客引きにやってきます。
タイ側ののんびりした雰囲気とは違い、ここには目をギラギラさせた客引きや、自称「ガイド」が私たちを取り囲み、すこし危険を感じました。
一緒に来てくれたバスの運転手に交渉を任せ、私たちはサムローでミヤワディーのお寺と市場を巡りました。
わずか一時間程度でしたが、私が感じたのはタイとの大きなギャップです。
大きな通りは舗装してありますが、わき道に入ると未舗装です。
また、走っている車もかなり痛んでいるものが多く、自転車で荷台を押す「サムロー」が重要な交通手段になっているようです。
また、街には歩いている人が多くいます。当たり前のように思うかもしれませんが
本当に暑いこの地域、タイの人はみんな車かバイクに乗り、道を歩いている姿は少ないのですが
ミャンマー側では、この炎天下歩いている人が多いのに気づきます。
日陰には、バイタクたちが客待ちをしている姿も多く見ます。カンボジアやラオスなど東南アジアの「発展途上国」では仕事がなく、出来ることといえばその日しのぎのバイタクくらいなのです。
街を一回りし終えると、いやな予感は的中しました。
サムローの運転手が、6人で1500バーツを払え!と吹っかけてきました。
そんなはずはない!と交渉をはじめた私たちのガイドに、最初に口を挟んだのは藤川さん。
「タイで一日働いて100バーツももらえないのに、1時間走って1500バーツちゅーのは無茶苦茶や!!」と
言うが早いが、見ちゃおれんとばかりにサムローたちと交渉を始めました。
最後には「坊さんを怒らすと、えらい目にあうぞ!」とタイ語で言うと、さすがの彼らも困った顔をしていました(一番困った顔をしていたのは、私たちのガイドでしたが・・・)。
結局、500バーツまで交渉しましたが、納得できない高い金額を払い私たちは国境へと歩いていきました。
本来なら怒ってはいけない立場にある藤川さんですが、そういう一面も隠せない、というのが
人間・藤川清弘の魅力なのかもしれません。
それにしても、住民感情を逆なでするな、と言いながら、思いっきり対立してしまうこの態度。
坊主だから許されたのかもしれませんが、今思いだしても冷や汗がでます。


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